MRの転職にも「需要と供給」というものがあります。
求人が多い時期なら、より良い案件に出会える確率は上がりますし、求人が少ない時期での転職活動なら苦戦する確率は上がってきます。
転職市場におけるあなたの価値が仮に一定だとするならば、「より転職しやすい時期」を狙って年収アップを狙いたいところですね。
そこで、
- MRの転職市場におけるベストな時期は?
- そもそも転職時期って何を基準に考えたら良いのか?
について紹介します。
さらに、MRの転職時期について、
- 「現役MR」の場合の転職時期
- 「未経験MR」の場合の転職時期
に分けて紹介しますね。
目次
現役MRが即戦力として転職するベストな時期
製薬企業が新しい人材を欲しい時期
製薬企業が、現場で活躍できるMRを即戦力として欲しい時期というのがあって、それは次の通りです。
- 1つ目の時期は、4月と10月
- もう1つの時期は、1月と7月
まず1つ目の時期は、4月と10月です。
これは現役MRの方なら分かると思いますが、製薬企業の多くは、「担当交代や人員異動」が、4月か10月の時期に行われます。
MRとしての転職時期の1つは、このタイミングで、「現役MR採用→即戦力」というパターンです。
もう1つの時期は、1月と7月です。
多くの製薬企業のボーナス時期が、12月と6月ですので、そのタイミングで辞めるMRの穴埋め補充の採用ですね。
ただ、ここで注意が必要なのは、4月や10月、1月や7月は、製薬企業が新しい人材を欲しい時期であって、あなたの転職活動時期ではない!ということですです。
ですので、実際にあなたが転職活動を始める時期は、「これらのタイミングより前の時期」になります。
転職活動を始めてから採用・入社に至るまでの期間は、人によってそれぞれです。
だいたい2~3ヶ月かかると思いますが、場合によっては4ヶ月(採用までに2ヶ月+内定が出てから入社までに2ヶ月)かかるケースもあります。
つまり、「あなたが転職活動を始めてから採用・入社に至るまでの期間」は2~4ヶ月ぐらいかかるわけです。
ということは、1月、4月、7月、10月のタイミングで製薬企業が即戦力MRの採用を考えていたとしても、結局、あなたが転職活動を始める時期とはあまり関係がないということです。

内資系と外資系による時期の違い
即戦力MRの求人案件が出る時期を見てみると、「内資系と外資系」で若干の違いがあります。
内資系の場合は、先ほどお伝えした4月、10月の担当交代を見据えたタイミングでの採用が多いです。
内資系は比較的、「会社の組織運営に沿った体制作り」を基本としている傾向があるので、人事異動の時期での採用が多いですね。
これに対して外資系は、あまり特定の時期に関係なく、MRを募集していることが多い傾向があります。
特に外資系の中でも、
- 専門性の高い領域のMR
- 希少疾患領域のMR
には「急募案件」が多いのが、僕の転職活動における印象です。
僕は転職活動中、外資系のメーカーで「〇〇領域経験MR急募!」のような求人案件を何度も見たことがあります。
外資系メーカーは、もともと転職者を広く受け入れる傾向がありますので、あまり特定の時期での採用にこだわることはないのですね。
どちらかと言うと、
- 優秀な人材
- 必要な人材
がいたら、時期にこだわらずに採用していく傾向があります。
外資系の場合は「転職活動を始めるにあたって、ベストな特定時期があるわけではない」ということですね。
つまり、時期にこだわらずに、積極的に新しい転職案件を見つけに行くことが、MR転職の成功法則になります。
新薬発売の時期によるMR採用
製薬企業にとって、現役MRの転職組を採用して、即戦力MRを積極的に増やす意欲が高まるのは「新薬の発売時期」です。
これは、4月とか10月とか全く関係なく、MRの採用が活発になるので、新薬の発売時期は狙い目です。
内資系、外資系問わずこの傾向がありますが、特に外資系はこの傾向が明らかです。
製薬企業にとって、新薬が発売になるときは、新薬発売後の売上最大化のために大々的なプロモーションしますので、MR人員を増やすことは想像の通りです。
あなたがもしも現役MRならば、「新薬発売を控えた外資系メーカーのMRが、あなたの担当エリアに急に増えていく様子」を目にしたことがあるでしょう。
外資系メーカーの場合は、新薬発売の時期には、MRによる販売力を最大化するために
- 積極的な人員増加
- コントラクトMRの採用
を進めることが多いです。
このような新薬発売の時期であれば、あなたがMRとして経験している領域と同じ領域のMRの新規採用を検討している外資系メーカーには、比較的転職しやすく、年収もアップしやすい傾向があります。
でも、
- 「どこの外資系メーカーが、新薬発売によるMR増員の採用を計画しているか?」
- 「MRの増員採用は、いつぐらいから始まるか?」
なんていう情報は、一般の人たちにはなかなか入ってきませんね。
ですので、転職エージェントに登録して
- 転職案件の最新の情報
- あなたに適した転職案件の情報
にアンテナを張って、情報を入手する必要があります。

転職活動を始める時期
現役MRが、他の製薬企業のMRに転職する場合の転職活動を始めるベストな時期についてお伝えしてきました。
と言っても正直なところ、新薬の発売をきっかけに即戦力MRを採用する場合は、
「その製薬企業がいつ採用活動を始めるかなんて、誰にも分からないこと」
なので、1年を通して「〇月がベストだ」という時期はありません。
また、外資系製薬企業の場合、年間を通して採用意欲が高いメーカーもありますので、あなたが転職を考えているのなら、なるべく早く転職活動を始めることが転職の成功法則となります。
さらに、内資系の製薬企業では、4月と10月、あるいは、1月と7月に採用意欲が高まると言われていますが、このタイミングの採用を狙って転職活動を始めるのもなかなか難しい話です。
なぜなら、転職活動を初めてから採用・入社に至るまでの期間には、だいぶバラツキがあるからです。
仮に転職エージェントに登録した場合での具体的な転職手順を見てみると次の通りです。
転職活動を初めてから採用・入社に至るまでの期間
- 転職エージェントに登録
- 転職エージェントの担当者と面談
- 製薬企業に書類を提出して書類選考になるまで(登録から書類選考まで1ヶ月)
- 書類選考が通過して一次面接
- 一次面接が通過したら二次面接(1次面接+2次面接で1ヶ月)
- 内定をもらった後、今の職場を退職するまで(1~2ヶ月)
- 転職先の製薬企業に入社
こんな感じでしょうか。
といってもこれは、最短の転職活動期間を描いたもので、当然面接に落ちて、他社の案件にチャレンジすることもありますので、人によってさらにバラツキが出てきます。
ですので、製薬企業にとって新しい人材の採用意欲が高まる時期を狙って、あなたが転職活動を始める時期をピンポイントで調整することは必要はありませんし、あまり意味のないことです。
転職エージェントへの早めの登録
これまでの話を総合すると、あなたが転職活動を始めるにあたって
- この時期がベストだ!
- 〇月か〇月に始めよう!
というような具体的なベスト時期は特にありません。
つまり、現役MRが転職活動を始める場合は、時期は気にせずに、自分の気持ち次第で転職活動を始めれば良いということになります。
ただ、転職エージェントを活用する場合、誰が見てもおいしい転職案件は、早いもの順で埋まっていくので、その点は注意してくださいね。
特に製薬企業の採用意欲が高まる新薬の発売時期については、なかなか情報を仕入れることは難しいので、「転職エージェントに登録して早めに案件を紹介してもらう」のがベストです。

転職エージェントに登録して、常に最新の情報アンテナを張りつつ、担当者から案件情報をもらうのが、ベストな転職方法と考えられます。
とにかく、MRの増員に関するおいしい採用案件は、早いもの順ですので、一日でも早く面接をした者が有利になるのは間違いありません。
例えば、人員募集を開始した時は、
「MR経験者募集!基幹病院の担当経験があれば優遇」
程度の条件だったのに、採用枠が埋まっていくにつれ、
- 「〇〇領域の経験〇年以上」
- 「〇〇領域の経験MRで〇〇県で勤務可能」
のように、条件が厳しくなっていくこともよくあります。
せっかく出たおいしい求人案件を逃がさないためにも、転職エージェントには早めに登録をして担当者と面談することをオススメします。
未経験者がMRに転職する時期
これまでは、現役MRが即戦力MRとして転職する場合のベストな転職時期についてお伝えしてきましたが、ここからは「未経験者がMRとして転職する場合」のベストな時期についてお伝えします。
MR未経験者のベストな転職時期はあるのか?
まず結論から言ってしまいますと、あなたがMR未経験者の場合、MRに転職するにあたってベストな時期というものは特にないということになります。
なぜなら、あなたはMR未経験者という立場なので、採用や入社の時期は、相手側である製薬企業の都合にすべて左右されるからです。
と言ってもこれは、別に製薬企業が特に「上から目線」ということではなくて、MRとして入社したら一人前になるための研修があるからです。
MR未経験者のあなたが、製薬企業にMRとして転職した場合、入社後に必ずある程度の研修期間があります。
この研修は、
- 医療や医薬品に関する基本的な知識
- 自社の医薬品についての作用機序や他社品との違い
- プレゼンテーションスキル
- 現場で先輩MRによるOJT
というような内容で、それなりの期間の研修があるのです。
また、入社してから現場に配属されるまでの研修は、かなり専門性の高い研修内容になりますので、専任の研修教育担当者がカリキュラムを組んだ上で、スケジュールに則って研修を行います。
ですので、
「採用→入社→研修→現場配属」
という一連のスケジュールの流れを踏まえて、あなたの採用・入社時期が決められていきます。
従いまして、未経験者がMRとして転職する場合、「あなたの都合」よりも「製薬企業がすでに組んだスケジュール」の方が優先されることが多いのです。
ですので、採用側の製薬企業の条件に合わせることが基本になるので、「現職の退職のタイミングを調整する」可能性もありえます。
MR未経験者は早めの転職活動を
未経験者がMRに転職する場合は、製薬企業のスケジュールや段取りによって、採用や入社時期が決まってきます。
ですので、あまり転職活動の開始時期をあれこれ考える必要はありませんね。
逆に言うと、
「むしろとにかく早めに転職活動を始めた方が有利」
とも言えます。
未経験者をMRとして採用する製薬企業は限られていますし、求人案件は早いもの順で埋まっていきます。
募集の定員枠は決まっていますので、なるべく早く転職活動を始めて、おいしい案件にありつくのが得策です。

未経験者がMRに転職する場合の成功法則!
- とにかく早めに転職エージェントに登録する。
- 転職エージェントの担当者に早めに面談をする。
- MR未経験者の転職に関するアドバイスを聞いておく。
- 1人で悩んだり情報収集せずに転職エージェントの担当者になるべく相談する。
まとめ
MRが転職するベストな時期についてお伝えしました。
結論を整理すると、製薬企業にとっての採用時期はあるけど、あなたが転職活動を始める際に、有利になる特定の時期は特にないということです。
唯一言えることは、製薬企業から出る求人案件は早い者勝ちで埋まっていくので、「とにかく早めに転職活動を始めること」がポイントだということです。
製薬企業もいい人材がいたら、順番に次々と採用していくので、なるべく早くあなたもエントリーするのが得策ですよ!
また、製薬企業の求人案件には、非公開案件もあり、こういった非公開案件の情報は、転職エージェントを通して募集していることが多いです。
あなたがもしもMRへの転職を検討しているのなら、早めに登録しておくことが成功への近道です。