「MR資格が失効しそうなんだけど、どうしたらいいの?」
「MRをやめた後のMR資格の更新って、いったいどうやるの?」
「MR資格が失効してしまったんだけど、再取得ってできるの?」
MRから別の職種に転職した場合、“MR資格”が失効しそうになることはよくあります。
また結婚などを機に、いったんMRから離れている場合もMR資格の失効が気になります。
せっかく取得したMR資格。
手続きをすることでなんとかなるなら、更新しておきたいですよね。
こんにちは!
MRを10年以上経験してきたMR太郎です。
医薬品業界としての経験は20年以上になりました。
いったんMRをやめてしまった場合の心配ごとで、“MR資格の失効”があります。
「いまは必要なくても、将来またMRに戻るかもしれない・・・」
「転職してMRをやめたけど、じつはまたMRに戻りたい!」
「結婚で一度MRをやめたけど、しばらくしてまたMRに戻りたい!」
こんな場合に“MR資格”がないと、MRへの転職時にかなり不利な条件になってしまいます。
なので「MR資格をとりあえず更新しておこう!」という人はけっこういるんです。

そこで今回はMRをやめたあとにMR資格を更新するための具体的な方法を解説します。
そしてさらにMR資格を更新したあとの転職戦略についても紹介。
また場合によっては「やっぱりMR資格を更新しない」という選択もあります。
そんな場合のために“MR資格に頼らない転職”についても紹介しますね。
MR資格はMR認定センターが規定している”一定の条件”を満たすことで更新できます。
なのでしっかりとその条件を事前に知っておかないとMR資格を更新できません。
後悔することのないように、しっかりとチェックしておいてくださいね。
それでは行ってみましょう!
目次
MR資格の有効期限は5年間
MR認定試験に合格してMR認定証が交付されてからの有効期限は5年間。
5年間の間に医薬品業界やMRの周辺環境も変わってくるので、“最新の業界知識を学んでおく必要があるよね”ということです。
まずはこの5年間の有効期限があるっていうことを頭に入れておきましょう。
そしてこの5年間を経過したときにMR認定証を更新しないと、認定証の有効期限が切れて失効してしまいます。
もしもMR資格を失効してしまうと、製薬会社やCSOへの再転職は現実的に難しいです・・・。
たとえあなたが以前、優秀な成績のMRだったとしても、残念ながら考慮してくれないことが多いですね。
それではここからは、実際にMR認定証を更新する方法について解説していきます。
MRをやめてしまったので“このままでは次回の更新時期に失効してしまう!”というケースですね。
まずはMR認定センターが実施している“補完教育”について説明しましょう!
MR資格の更新は“補完教育”でなんとかなる
MR認定センターの規定では、MR資格の更新にはつぎの条件をクリアする必要があります。
製薬会社やCSOに所属して社内で規定された「継続教育」の研修を「年間40時間以上」受講すること
これによってMR認定証の更新に必要な“基礎教育”を修了させることができるわけです。
ただなんらかの理由でMRをやめてしまった場合は、この“年間40時間以上の継続研修”を会社で受けることができません!
そこで継続研修の代わりになるのが、MR認定センターが実施する“補完教育”です。
補完教育はあなたが「受けていない継続研修の穴埋め」になります。
なのでMRをやめていたとしても“補完教育”を受ければ、MR認定証を更新することができるんです!
ではこの補完教育の制度について、もう少し詳しく解説していきましょう!
もうすぐMR資格が失効してしまう人の補完教育
「有効期限はまだ切れてないけど、このままでは更新できずに失効してしまう・・・!」
こういう場合は補完教育を受ければ大丈夫!
MRをやめてから現在までの空白の期間を、補完教育で穴埋めすればOKです。
「将来MRに戻る可能性があるから、更新できるようにしておこう!」
そういうあなたのために補完教育の制度があるんですね。
ちなみに補完教育を修了することで、MR認定証の有効期限から5年以内であれば、MR認定証を更新することができます。
すでにMR資格が失効してしまった人はどうなるの?
すでにMR認定証の有効期限が切れて失効している場合は、残念ながらMR認定試験を再受験することになります。
なにもない状態のゼロから再スタートです。
またMRテキストを勉強して12月の試験を受験しないといけません。
MR資格を失効してしまった場合は、また時間を費やして“本当に再度MR試験を再受験するのか?”について考えましょう。
場合によってはMR資格を再受験するよりかは、“MR資格に頼らない転職”を考えた方がよいケースもあります。
それではここからは、“補完教育”についてもう少し具体的に解説していきましょう。
補完教育と補完年数
MRをやめてしまっても「補完教育」を受ければ、MR認定証の更新手続きができることを紹介しました。
では「補完教育」とはいったいどんなものなのでしょうか?
補完教育の受け方について具体的に見ていきましょう!
補完教育は自分のパソコンで受けることができる
補完教育はMRとして必要な知識レベルを修得するためのものです。
ちなみに2018年度の補完教育はつぎの3科目でした。
- 医薬品情報
- 疾病と治療(基礎・臨床)
- MR総論
そして補完教育は、MR認定センターが実施している教育制度で、つぎのように“ドリル”と“テスト”がワンセットになっています。
ドリルとテスト
- 最新のMRテキストを元にドリルで学習
- 学習効果をテストで確認
このドリルとテストは、あなたのパソコンでインターネットに接続して受講することが可能ですよ!
ではこの“ドリル”と“テスト”についてもう少し詳細に説明していきます。
まずはテキストとドリルで勉強
まずはMRテキストをもとにドリルで問題を繰り返し解いて勉強します。
ドリルはインターネット上でいつでも何回でもやりなおしOKです。
ドリルを繰り返し解くことで、MRに必要な最新の知識を身につけていきます。
つぎにテストを受験する
テストは選択式の回答方式で、インターネット上でいつでも受験することができます。
各科目のテストの制限時間は30分。
30分のテストを実施したら、合否判定を受講画面から確認できます。
テストは3回まで受験可能で、3回以内に合格できないと“不合格”です。
ちなみにテストの合格ラインは正解率80%以上。
このテストに合格すれば補完教育は修了となって、MR認定証の更新条件をクリアすることができるんです。
このように補完教育はドリルを勉強して、テストに合格することで修了します。
ただここでひとつ補足があります。
それは「補完教育」のドリルの問題数とテストで出題される問題数は、“補完年数”で決まっていくということです。
ということでここからは“補完年数”について解説していきます。
テストの問題数は補完年数によって増えていく
あなたが「本来受講すべきだったけど、受講してない継続教育の年度数」を補完年数といいます。
なのでMRをやめて年数が経過するほど、この補完年数も増えていきますね。
そしてこの補完年数が増えるほど、補完教育の“ドリルの問題数”と“テストの問題数”も増えてしまいます。
つぎの表は“補完年数”によって設定されたドリルとテストの問題数なので参考にしてみてください。
補完年数 | ドリル問題数 | テスト問題数 |
---|---|---|
1年 | 192問 | 120問 |
2年 | 264問 | 160問 |
3年 | 336問 | 210問 |
4年 | 408問 | 250問 |
5年 | 480問 | 300問 |
※MR認定センター「受講内容」より引用
ここまで補完教育によるMR資格の更新方法について解説してきました。
補完教育は自宅のパソコンで勉強すればよいので、どこかの研修施設に通う必要がありません。
補完年数で規定された補完教育を受講してテストに合格すれば、あとは更新手続きをするだけ。
今後のことを考えて“とりあえずMR認定証を更新しておく”というのもありですよね!

はい、その通り。
MR資格を更新できても、あなたは“MRから離職している”という状況です。
実際に「MRへの再就職」となると“MR資格を持っています”というのは最低限の条件・・・。
そう簡単にMRに再転職できるわけではありません。
ここからは“MRへの再転職”のお話について解説していきたいと思います。
MRへの再転職は難しい?
MR資格を補完教育で更新できたとしても、MRへの再転職は難しいのでしょうか?
おそらくあなたには数年間のMRキャリアのブランクがありますよね。
さらにそれなりに年齢も重ねてきているはず・・・。
つまり正直な話、「転職に不利」な状態です。
製薬会社やCSOの採用担当者から見たら、あなたより“現役の若手MR”の方が転職に有利なのは間違いありません。
またあなたがMR資格をしっかり更新していたとしても、つぎのような印象を持たれてしまいます。
“また数年でMRをやめてしまうのではないか?”
これは仕方のない話。
なのであなたがMRをあらためて目指している“意気込み”とMRへの“想い”を、面接でしっかり伝えてください。
一度MRを離れてみたからこそ「MRという仕事の魅力がわかった」ということを伝えて、説得力のある志望動機を話してくださいね。
オススメは外資系の希少疾患MR
MRとしてのブランクがあってMRに再転職する先としては“外資系の希少疾患MR”がオススメです。
希少疾患領域に特化した外資系の製薬会社は、「あなたの過去のMR経験」を必要としています。
新卒のMRを採用して「一から教育して育てる」よりはMR経験者を採用して即戦力を求めています。
とくに外資系MRの場合は完全に実力主義なので、元MRのブランク組のあなたでも入り込む余地があるんです!

逆に内資系製薬会社への転職は、MRブランク組には若干ハードルが高いです。
とくに大手・中堅の内資系製薬会社は狙っても厳しいでしょう。
CSOもオススメ
CSOのMRも狙い目です。
あなたが勤務したいエリアの地域限定でやっていくのもありですね。
というのも・・・あなたが一回MRをやめたということは、何かしら「MRをやっていくにあたって嫌なこと」があったはずです。
そのMRの「嫌な理由」の一つに“転勤”があったなら、CSOがオススメですよ。
CSOへの転職なら製薬会社への転職に比べるとハードルがさがりますので、あなたの選択肢が広がっていきます。
MR資格に頼らない転職もある
ここまでMR資格の更新の解説をしておきながらヘンな話ですが、“MR資格に頼らない転職“もあります。
MR資格を更新するにあたって、おそらくあなたはつぎのような悩みもありますよね。
「もう一度MRに戻ろうか?」
「それとも・・・やめておこうか?」
たしかにMRは魅力的です。
ただこれまでのMR経験を活かした”異業種への転職”の道も十分ありえます。
医療業界の仕事はMRだけではありません。
ここからはMR以外の職種への転職についても紹介していきますね。
CROのモニター(MR資格に頼らない仕事その1)
MR経験を活かした他業種で一番人気なのは“CROのモニター(CRA)”です。
モニターとは
CRO(Clinical Research Associate)に所属して、新薬の治験開発の業務を進めるために、施設の医師とやりとりをする担当者のこと。
CROのモニター(CRA)は医薬品の治験開発業務がメインの仕事です。
なのでMR資格は必要ありません。
またCROのオフィスは東京、大阪、名古屋の都市部に限られていて転勤がありません!
これがCROに転職してモニターになる最大のメリットですね。
仕事で施設へ訪問する場合でも、遠隔の地方へは新幹線や飛行機を使って出張で訪問。
原則オフィスの場所は決まっています。
あとモニターの業務は営業ではないので、MRのような売上のノルマもなければ数字の追求もありません。
さらに新薬の治験に携わるので、MRよりも高い専門性の知識を身につけることができます。
なのでその後のキャリアアップの道が豊富にありますよ。
女性のMR経験者が、結婚を機にCROのモニターに転職する話は多いです!
CROのモニターに興味のある人はつぎの記事も参考になりますよ↓↓↓
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未経験からCRA(モニター)へ転職するメリットと気になる年収
「MRをやめて、別のキャリアに進んでいきたい」 「全国転勤が嫌なので、MRをやめて転勤のない仕事に転職したい」 「結婚や出産の後も、安心して働き続けられる仕事に転職したい」 というような理由で、MRか ...
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医療機器の営業(MR資格に頼らない仕事その2)
CROのモニターは新薬の治験業務でした。
でもやはり「営業職にこだわりたい!」という考えもありますよね。
そんな場合は“医療機器の営業“も魅力的な選択肢です。
製薬会社でMRをやっていた人からすると「医療機器の営業」なんて考えたこともないと思います。
でも・・・じつは結構人気の職種なんです!
医療機器の営業はつぎのような特徴があります。
医療機器の営業
- MRの経験がそのまま活かせる
- MR資格を必要としない
- そこそこ平均年収が高い
医療機器の営業は医療機関を訪問して自社品を販売するので、MRの営業活動とほとんど同じ。
なんですが・・・かなり価格に入り込む面もあるので、MRよりも“商売”としての傾向が強いです。
この「商売」の部分はMRには無いおもしろみですね。
また外資系の大手の医療機器メーカーに転職すれば、かなりの高年収も期待できます。
MRにくらべると転勤は少なく、長期的なキャリアを考えやすいのが医療機器メーカーです。
あと「医療機器」と言っても取り扱う商品群は“めちゃくちゃ広い”です。
医薬品に負けずおとらず専門性が高いことに驚きますよ。
医療機器の営業に興味のある人はつぎの記事も参考にどうぞ↓↓↓
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「医療機器の営業ってどんな仕事なの?」 「医療機器の営業って未経験でも転職できるの?」 「医療機器の営業って年収はいいの?」 医療機器の営業って、いったいどんな仕事なんでしょう? 医療業界ではない人か ...
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まとめ
MR資格を失効させないための方法を紹介しました。
MRをやめてしまったけどMR資格を更新したい場合は、自宅にいながらパソコンで補完教育を受講すればOKです。
とりあえず更新しておくことで、何かあったときのための“保険”になりますね。
またMRに戻る場合は外資系のMR・・・とくに希少疾患MRがオススメです!
あとMR資格を更新することを悩んでいるならば、これを機に“MR以外の職種”を考えてみるのも一つの選択肢。
あなたの過去のMR経験が活かされる職種が、思いのほか世の中にはたくさんありますよ!
とくに“転勤はイヤだ!”あるいは“営業の数字の追求がしんどい!”という理由でMRをやめた場合・・・。
この場合はMRに戻るとまた同じ思いをする可能性があります。
そんなあなたはCROのモニターがオススメかもしれません。
ぜひいろいろな可能性を検討してみてくださいね!
MRから異業種への転職に興味がある方はこちらが参考になりますよ↓↓↓
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