これからMRへの転職を考えているけど、
「MRは辛い!」
という話を耳にしてしまい、一歩目を踏み出せないあなたのために「MRの辛さ」「営業のしんどさ」について具体的に紹介します。
「MRは辛い」とか「営業がしんどい」と言われている主な理由は次の通りです。
- 医者から邪魔者扱いされる
- 卸のMSの態度がデカい
- 全国転勤がある
- 売上計画のノルマが辛い
- 施設訪問のノルマが辛い
- 新薬が出なくて辛い
MRに転職しようか悩んでいるあなたが、実際にMRに転職した後、
「こんなはずじゃ無かった!」
と後悔してしまっては、シャレにならないので、これらの「MRの辛さ」を実体験を交えて具体的に紹介します。
確かに、上記にあげたのは「MRの辛さ」ですが、「営業職」という仕事であれば、実はどの業界でも似たり寄ったりの辛さがあるはずです。
逆に、MRは、他の営業職から比べるとダントツに高い年収を手に入れることができます。
ここは、「MRの辛さ」と「MRの高年収」をテンビンにかけて、あなたが何を望むかを考えて検討することをオススメします。
今回の記事は「MRの辛さ」や「営業のしんどさ」について詳しく紹介し、最後にMRの「辛いけど良いところ」も合わせてお伝えします。
じっくりと最後まで読んで、
- MRへの転職活動の一歩目を踏み出すか
- やっぱりやめておくか
の判断をしてみてください。
目次
MRは辛いと言われている理由
医師から邪魔者扱いされるのが辛い
「MRは辛い」と世間で言われている一つ目の理由は、
「医者から邪魔者扱いされる」
ということですね。
MRが開業しているクリニックを訪問する場合、医者が診察を終えた
- 「午前の診療時間」の後
- 「午後の診療時間」の後
のどちらかが普通です。
なので、医者が「患者さんの相手をして疲れきっている状況」に面会するので、どうしても邪魔者扱いする医者がいます。
「こっちは診察終わって疲れているから、薬の宣伝は勘弁してくれよ!」
という感じですね。
大きい規模の病院の場合は、MRは、医者が出入りする病院の医局の前で、お目当ての医者をひたすら待ち伏せします。
そして、お目当ての医者を見つけたら、すかさず近づいていって話しかけるわけです。
「先生、すいません、ちょっとだけお時間宜しいでしょうか?〇〇製薬の〇〇ですが・・・」
という感じです。
すでに仲が良い医者なら突然話し掛けてもいいけど、あまり面識がない医者の場合、
「あんた何なん?」
っていう感じで邪魔者扱いされるわけです。
当然ですよね。
病院に訪問して、金魚のフンのように医者の後を追い掛け回す自分自身も嫌になることもあります。
基本的に医療業界では、次のような感じで、
- 医師が「ピラミッドの頂点」にいる
- MRやその他業者の人間は、「底辺」をはいずり回っている
という絶対に変わらない業界の構造があります。
これは、今までもこの先も絶対にくずれない上下関係です。
中には丁寧でとてもいい医者もいるけど、基本的にMRは「底辺のカス」のような扱いを受ける場面が多いです。
「営業なので仕方がない」と割り切れる人は良いですが、
- 「自分の存在価値って何なんだ」
- 「自分にもプライドがあるんだ」
とか考える人にはかなり辛い仕事です。
卸のMSの態度がデカくて辛い
MRは、医薬品の情報を病院の医者や薬剤師に届けて、自社品の宣伝をするのが仕事。
なので、実際に、
- 医療機関から医薬品の発注を受ける
- 製品を医療機関に納品する
という商品の流通に関する仕事は「卸のMS(Marketing Specialist)」という営業担当者がやっています。
卸のMSの特徴としては、
- 発注をもらうために医療機関に毎日顔を出している
- いつも医者の小間使いをしている
- よって、施設の医者やスタッフにかなり溶け込んでいることが多い
ということが言えます。
傾向としては、「施設のことをMSが仕切っている」ということが多く、
「俺の言うことに従わないMRは許さない」
というような横柄な態度をとるMSがたまにいます。
あなたがMRで、MSの意向と反するようなことをしてしまうと、嫌がらせや邪魔されることはよくある話です。
とくに同じエリアを長年に渡って担当してきたMSは、そのエリアを牛耳っていることが多く、困ってしまうほど態度がデカいです。

そんな態度が横柄なMSですが、担当先の医者と仲が良いので、結局あなたはMSの言うことに従うしかなく、辛い思いをすることがあります。
しかも、朝早く卸に訪問して、そんな会いたくもないMSに会いに行かなければならないのは結構辛いです。
全国転勤があるから辛い
「MRは辛い」と言われる理由の一つに全国転勤があります。
自分の希望通りの勤務地や、それなりの都心部に配属になればいいけど、実際には転勤先の地方に「いつまでも、なじめないMR」も結構います。
考え方によっては、全国のいろいろなところに行けるので、
「いろいろな地方の文化や良いところに触れることができる」
というメリットもあります。
でも、実際にはそんなキレイごとが言えるエリアばかりではないのも事実です。
今まで都会暮らしばかりだったけど、東北の雪国に転勤になって、今までの生活とのギャップに耐えられず、MRを辞めていった後輩も実際にいました。
(決して東北地方が悪いという意味ではないですよー!)
また、結婚して子供ができたら、転勤の問題は自分だけでなく、嫁さんや子供を含めて家族も巻き込むことになります。
MRになって、一生転勤し続けたら、定年後に、
「自分がどこの土地で過ごすことになっているのか」
が全く見えないわけです。
自分が将来住む街が、
「会社の人事に握られていることが辛い」
と思ったり、理不尽だと思ってしまうことはよくある話です。
MRの営業がしんどいと言われている理由
売上計画のノルマが辛くてしんどい
MRは、何だかんだ言っても「営業」なので、売上計画のノルマがあります。
この「売上計画のノルマ」への追求が辛くてしんどいことがあるわけです。
「医薬品の適正使用の情報を医療機関にお届けするのがMRの使命」
っていうのは間違ってはいないけど、実際にやっていることは営業。
売上計画を達成してナンボの世界です。
当然、適当にやっていれば達成できる数字ではなく、ある程度頑張らないと達成できない売上計画が与えられます。
また、自分の担当エリアが決まっているので、状況によっては、
「どんなに頑張っても絶対に売上計画が達成できない」
というときもあります。
そんなときでも、実績で評価されてしまうので、MRは「営業としてのしんどさ」があります。
月末に、数字を達成させるために、
「調剤薬局に無理やり発注を出してもらって、在庫を置いてもらう」
ということもMRにはよくある話。
医療のため、患者のためなんて、これっぽっちもない世界がそこにはあります。
施設への訪問ノルマが辛くてしんどい
MRは営業なので、基本、顧客に会ってナンボの世界です。
受け身ではなく、自分から積極的に営業していかないといけないので、
「施設の医者や薬剤師に一人でも多く面会しないといけない」
と言えます。
なので、会社からは
「1日●件以上訪問して●人以上の医者と面談する」
というような訪問件数や面会人数のノルマがある製薬企業が多いです。
でも、実際の医療現場では、医者は「患者さんの診察」を最優先にしているので、MRの都合通りに面会はできません。
たまに順調に医者に面会できて、1日の訪問件数を達成できる日があったとしても、毎日都合よく達成できるわけではないのです。
さらに、一人のMRの担当施設は限られているので、訪問回数のノルマをこなすためには、同じ施設に何度も訪問しなければならないのが現状です。
でも、同じ医者に毎月何度も訪問するほどのネタや話題もなく、医者からも、
「こっちも忙しいから、そんなに来なくてもいいよ」
と言われてしまうことも多いです。
だんだん自分の存在価値に疑問を持ち出して、
「別にMRがこんなに医者に頻繁に会いに行く必要はないんじゃないか」
という感情が湧いてくるわけです。
でも、会社からは訪問回数のノルマがうるさいので、結局、会社には、
「とりあえず、訪問したことにする」
というウソの報告をあげた経験は、MRなら誰でもある話です。
訪問件数のノルマもしんどいし、ウソの報告をあげている自分も辛い。。。

新薬が出なくて辛い
MRをやっていて、新薬が出ない話ほど辛いものはないですね。
いつまでも、いつまでも古い薬を売り続けなければならないストレスはハンパないです。
他の競合メーカーは次々と優れた新薬を発売しているのに、自分は、古い薬を宣伝し続けなければいけないしんどさ。
当然、古い薬は、新薬に「効き目も安全性も負けている」ので、営業のやる気もなくなってきます。
正直な話、自分が患者だったら、
「ウチの古い薬より競合の新薬の方がよい」
というケースもあり、そんな状況でも医者に自分の会社の製品を進めなければなりません。
これはホントにしんどいです。
古い薬の場合、医者も特に情報を欲しがらないし、新しい情報やデータも何もないので、医者に紹介するネタもない状態。
しかも、優れた新薬が発売されたら、そちらに切り替えられてしまって、売上は減っていく一方。
でも打つ手はない。。。
これはしんどいです。
どんなに医者と人間関係だけを築いたとしても、顔だけで売っていくには限界がありますしね。

MRは辛いけど良いところもある
MRは年収が高い
これまでMRの辛い話ばかりをお伝えしました。
MRは確かに辛い面があるのですが、その分、年収はかなり高いです。
いろいろな業界の一般的な営業職の平均年収と比べても、だいぶ高い方です。
医療業界自体、全体的に平均年収が高い方だけど、MRはその中でもトップクラス。
30代で年収1,000万円オーバーも普通にいる話で、しかもそれほど珍しい話ではないです。
ですので、あなたがMRに転職したら、おそらく年収が上がることになります。
仮に転職直後は「未経験者」ということで、現在とほぼ同額の年収条件になったとしても、しっかりとMRとして実績を上げていけば、確実に高年収を期待できます。
さらにMRは、年収が高いだけでなく、社宅借上制度や住宅手当などの手当ても充実しています。
年収はより高く、出費はより少なくなるので、あなたのお金に関する悩みはほぼ無くなりますね。
家を買う際に銀行でローンを組む場合も、話がスムーズに進みますよ。

新薬が出るとやりがいがある
新薬が出ないと、「MRとして辛い」「営業活動がしんどい」という話をしたけど、逆に新薬が発売されると、MRとしてはめちゃくちゃ、やりがいが出てきます。
特に今まで無かったような画期的な新薬が発売になると、医者や薬剤師から引っ張りダコで、次々に医者に呼ばれて説明を求められます。
新規採用もバンバン取れて、営業としてはかなり面白いですよ。
今までMRのことを邪魔扱いしていた医者からも、
「今までなかなか治療できなかった患者さんに、君のところの新薬を使ったらとても効果があったよ!ありがとう!」
と感謝されることも実際にあり、MRとしてもうれしい話です。
新薬が発売されると、「MRをやっていて良かった」と思える場面がたくさんあるのです。
今まで横柄な態度をとっていた卸のMSも、あなたの会社の新薬を売りたいから、
「ぜひ新薬の勉強会をやってください!」
とか
「君のところの薬を売りたいので、一緒に同行訪問してください!」
とお願いしてくるようになります。

時間が自由になる
MRは、営業車に乗って施設を訪問するのが仕事なので、訪問スケジュールも訪問先もすべて自分で計画を立てて周ることになります。
効率的に病院を周るためのルートを考えて、すべてあなた主導で一日のスケジュールを組むのです。
MRに転職した場合、最初に担当エリアを周り始めるころは、訪問スケジュールをしっかり組んで、がむしゃらに施設を周ります。
ただ、だんだん施設周りに慣れてきて、担当先の医者にも顔ができてくると、時間的にゆとりが出てきます。
なので、考えようによっては、今日はいつもより多く担当先の施設を訪問したから、
「明日はちょっと手を抜こうかな」
とか、できてしまうわけです。
ベテランMRほど効率的に施設を周って、抑えるべきポイントを押さえながら実績を上げています。
極論を言ったら、売上計画をしっかり達成できていれば良いわけで、日々の営業活動は自分のペースで動いても問題ないのです。
営業中にちょっと自分の用事を済ませたり、買い物をしたりするのは、MRではよくある話。
MRはみんな自分の裁量でうまくやっています。
アポイントなしでも面会できる施設がある
これは異業種の営業職からMRに転職してきた人がよく驚く話ですが、
「MRはアポイントなしで施設へ訪問して医者に会えることが多い」
ということです。
開業しているクリニックの場合、診察終了時間に施設へ訪問して、受付で名刺を出したら院長に面会できることが多いです。
病院の医者の場合は、病院に訪問して医局の前に立っていたら、医局を出入りする医者に会うことがきできます。
これって、他業種の営業職ではあまりない話。
特にBtoBの営業では絶対にありえない話ですね。
最近では、MRもアポイントを取得しないと面会できない施設も増えてきたけど、アポなしでいきなり会える施設もまだまだ多いです。
訪問規制として、決まった曜日の決まった時間にしか面会できない施設もあるけど、その決まった日時に訪問すれば医者に会えます。
なので、かなり「あなた主導」で営業プランを組んで、一日の訪問スケジュールを組み立てることができる営業ですよ。
MRからのキャリアアップの道が豊富
MRは辛い仕事だと言われているけど、MRとしての経験を積んでいくと、その先の「キャリアアップの道」が開けてきます。
例えば、MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)。
MSLは、高度な専門知識をもとに、
「自社品にとらわれずに治療全般の情報提供を行う専門担当者」
のことで、営業目的ではなく、サイエンス(疾患の治療に関する専門家)の担当者として施設を周ります。
MSLは医者が望んでいる「レベルの高い情報」をお届けしたり、医者の研究をサポートする専門部隊なので、医者から重宝されることが多いです。
また、MRの経験を積むことによって、医薬品業界の「異業種」に転職していく道も豊富にあります。
CROのモニター(CRA)はその代表例ですね。
CROは、新薬の治験開発業務を支援している会社で、かなり専門性の高い業務を行っています。
いきなり医薬品業界とは別業界の未経験者がCROに転職するのは、かなりハードルが高いけど、MRの経験を積むとCROのモニターに転職することはそれほど難しくはないのです。

MRは営業職としては思いのほか戦略的
MRは営業として辛い、しんどいという話をしましたが、MRの営業は、実は戦略的で面白いです。
- ターゲットとする競合品から、自社品へ切り替えるための作戦
- いかに自社品の方が患者さんにとって価値があるかの論理武装
- 卸のMSを巻き込んだ共同戦略
- 医者の懐に入り込む営業スキル
- 大規模な病院の場合は、医局の医者を味方につける戦術
- 病院長や診療科の部長を説得する段取り
- 薬剤部を敵に回さない根回し
など、自社品を採用させるまでの営業活動は、とても緻密で戦略的です。
このような戦略的な営業を
- 「辛い」と感じるか
- 「面白い」と感じるか
は人それぞれだけど、あなたが考えた戦略通りに進めて、見事に自社品が採用になると、むちゃくちゃ嬉しい話です。
- 医者からも認められて
- 自社品が新規採用になって
- 卸のMSからも頼りにされて
- 会社からも評価が上がって
- 給料もアップしていく
という嬉しいサイクルが回りだすとMRはやっていてホントに楽しいですよ。
まとめ
MRは確かに辛いし、営業はしんどい。。。
医者から邪魔者扱いされることもあれば、横柄な態度をとる卸のMSと付き合っていかなければなりません。
売上計画のノルマもあって、数字を達成していかなければならないです。
ただ、これは営業であればどの職種の営業でも似たりよったりの話で、何もMRだけ特別な辛さではない話ですね。
どの営業職でもよくある話だし、業界によってはもっと理不尽な営業環境の会社もたくさんあります。
それに比べるとMRは、営業職の中ではダントツに高い年収で、あなたの今後の生涯年収を大幅にアップさせることができます。
なので、あなたがMRに転職したら、おそらく今抱えている「給料が安いという問題」は解決されるはずですね。
もし、この記事を読んでみて
「これぐらいのしんどさは、営業なら仕方がない」
と少しでも感じたあなたなら、やってみたら思いのほかMRという仕事にやりがいと楽しさを見つけ出せるはずです。
人が生きている限り、医療業界はこの先も無くなることのない業界です。
MRに転職して「やりがい」と「高い年収」を手に入れた人はたくさんいますので、あなたも一歩目を踏み出してみてくださいね。
あなたが今、営業職をしているなら、次の記事が参考になりますよ↓↓↓
-
-
営業職からMRに転職!異業種でも営業経験があればMRに転職有利!
あなたが仮にMRとは別業種だったとしても、今やっている職種が「営業職」であれば、MRへの転職にとても有利です。 医療業界とは関係のない異業種でも、「営業経験で培われたコミュニケーションスキル」があれば ...
続きを見る
MRになりたいけど「転勤が嫌だ」というあなたには、次の記事が参考になりますよ↓↓↓
-
-
MRの転勤の頻度と転勤が多い理由。MRに転職する前に知っておくこと。
MRに転職したいけど、 本当に全国転勤させられるのか? 実際の転勤の頻度はどれぐらいなのだろうか? 勤務地の希望は通らないのか? というような不安や疑問で、MRへの転職を戸惑っているあなたのために、僕 ...
続きを見る